JCEP:Japan Clean Environment Promotion

第11回講演会『小形風力発電の現状と将来展望』開催報告(10月25日開催)

2016年11月15日火曜日 7:17 PM, 記事カテゴリー:活動報告,講演会・イベント, 投稿者:namikishinntaro
JCEP講演会(2016/10/25)

 一般財団法人日本クリーン環境推進機構(JCEP)は、2016年10月25日(火)に、(一社)日本小形風力発電協会様と共催で、「小形風力発電の現状と将来展望」と題した講演会を開催致しました。

 

当講演会では、これまでも、バイオマス(メタン化)発電、温泉地熱発電等、再生可能エネルギーをテーマに取り上げて参りましたが、今回は、風力発電、中でも20kW未満の小形風力発電を取り上げます。 小形風力発電は、これまで自家発電利用が中心でしたが、近年は売電事業を目的とした導入が増えております。今回は、小形風力発電の現状と今後の技術開発状況や、また導入にあたって検討すべき点について詳しくご講演を頂きました。


なお、講師の方々ご好意により、本講演資料を一部公開しております。 下記よりご参考頂ければと存じます。


開会の挨拶  JCEP会長 愛知 和男

  愛知和男

本日はこのように多くの方々にお集まり頂き感謝申し上げる。JCEPもようやく世間の評価を得らえるようになってきた。これからもなお一層、地道な活動を続けて地域や環境等の問題について役割を果たしていきたい。



講演1 「再生可能エネルギーの導入促進と制度改革」 
経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 新エネルギー課長 山崎 琢矢 殿 

 
山崎琢矢氏

来年4月より施行する改正FIT法では、太陽光偏重の見直し、未稼働案件の排除と防止、買取価格の複数年提示などを盛り込んでいる。これまでの認定容量に対し、実際の稼働した導入量は34.4%で、1/3となっている点を改める。また、メンテナンスの不備から地域トラブルになるケースもあり、メンテナンスが適切になされない場合は、認定取り消しができる仕組みとした。

小形風力については、認定件数は、約1100件に達しているが、これまで稼働したのは60件ほどと非常に少ない。可能性がある分野なので、風況調査をしっかり行って進め、投資案件ではなく発電事業として長期的な視野で取り組んでほしい。


講演2 「小形風力発電導入のポイントと将来展望について 」
(一社)日本小形風力発電協会 理事長 田中 朝茂 殿

 
田中朝茂氏

小形風力の定義は、国際的なJIS規格においては、風車直径16M以下、受風面積200㎡以下の風車であり、日本においては加えて電気事業法で定める出力20kW未満の製品が該当する。設置面積の小ささから、特に分散電源としての利用に適している。FIT価格は55円/kWと高めに設定されているが、現状の建設コストは50円/kWを超えるため、決して高すぎる価格ということではない。

近頃、平均風速7~8m/sの発電シミュレーションを提示している業者が見受けられるが、小形の地上高30m以下でこれだけ吹く地域は非常に少ないので、注意して欲しい。 事前の現地確認や一定期間の風況調査を推奨する。

協会では、小形風車部品の標準化・実証研究や、出力変動等の電力系統上の課題解決のための技術開発を行っている。機器・部品の低コスト化やPCSの標準化など電力会社と協力して進めている。まだまだFITににっての設備導入が本格化して1年といったところなので、協会としても引き続き制度改革や技術革新に取り組んで行きたい。


講演3 「風力発電普及に向けた認証の活用について 」 
(一財)日本海事協会 再生可能エネルギー部 次長 佐々木 千一 殿

 
佐々木千一氏

日本海事協会は、もともと船舶の第三者認証機関であるが、欧州で風力発電が普及するにつれて、類似の制度を船舶に適用してきた船級協会による風車の認証制度が構築されてきたという経緯がある。 認証は国によっては許認可上必要とされていない場合もあるが、その場合でも金融や保険が認証を要求するためニーズがある。認証は、大型風車でも型式認証やウインドファーム認証などを行っているが、小形風車については、風車の性能及び安全性が、日本小形風力発電協会規格(JSWTA0001)に定める要件に適合していることを確認するものとなっている。認証が、事実上FIT制度の対象となる要件となっており、日本のFITは小形風力の買い取り価格が高いため、欧州などから認証を求める申し込みが殺到しているという。 現在14件が認証済だが、今後さらに増えていく見込みである。

小形風力の発電設備認定は、平成27年以降急増したという。原因は、太陽光の価格低下と思われる。一方、連携できているものはまだまだ少ないが、小形風力用のPCSについて、JETの認証サービスが始まっていないなど、まだまだ環境が整っていない面もある。


講演4 「小形風力発電の本格導入に向けたJCEPの取組」
 (一財)日本クリーン環境推進機構 理事 鈴木 和幸


  鈴木和幸

JCEPでは、地元地権者・自治体と連携し、事業実現にむけて支援をしている。また、多くの自治体や先進事例を足がけて巡り、実際の課題等のヒアリングも行ってきた。 

これまでの講演でも何度も述べられているが、風況マップだけを参考にして、事業計画を立てる方が多い。 風況マップで、6m/sの地点だからと言って、1年間毎日6m/sが吹くわけではないにも拘らず、事業計画上は6m/s時の発電量・売電額を単純掛け算している場合が多い。 我々も風況マップ上は風速7m/sといわれる青森県大間町で、実際の風速を実測をしてみたところ、高さ12m、夏の数か月の数字ではあるが、平均4.6m/sであった。 10m以上吹くときもあるが、3m以下の風のない日もある。 まだFIT対応の風車で1年間通しての発電量や売電額のデータの蓄積が少ないが、利回りの高い事業計画を作ると、ふたを開けてみると全然違うということになる。

10月には、青森県の横浜町や大間町で小形風車の建設に対する町のガイドラインが制定され、立地のハードルが高くなった。 法の要請がなくても、自治体や地元とよく話をすることが大事で、住民説明会の必要性なども訴えていきたい。

JCEPでは、風力+太陽光によるハイブリッド型発電所を電力会社へ提案したり、地元銀行の勉強会への協力など、各ステークスホルダーとも協力して、普及活動をしていく。特にこれから小形風力発電事業に参入しようという方は、ぜひ始める前にJCEPや小形風力発電協会へご相談して頂きたい。

閉会の挨拶  JCEP理事長 石村 毅

  石村毅

本日は、風力発電の中でも、小形風力に着目してお話を進めてきた。小形風力発電は、実は自分の身の回りにあるが、小形ゆえにあまり気づいていない存在。本日お話があった魅力と課題を念頭に、事業計画をじっくり練って頂きたい。  JCEPも体制強化を行っているので、是非ともご期待いただき、ご相談・ご注文をお寄せください。


なお、今回の講演会開催に当たり、ご後援頂いた各団体様、マスコミ各社様に心より感謝申し上げます。
後援:公益財団法人原子力バックエンド推進センター/環境新聞社/電気新聞/日刊工業新聞社/福島民友新聞社/フジサンケイビジネスアイ/新エネルギー新聞

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